21st EACTS 回顧録
2007.09.15 UP
今回スイスジュネーブにて開催された21st EACTS Annual Meeting and Techno-Collegeに参加し、発表する機会を得たのでその概要を報告します。
会場は、ジュネーブ国際空港から、1km程度(小生は、入国審査後に徒歩で参加登録しました)のGENEVA PALEXPOでした。この会場は、市街からは3.5km程度に位置します。広さは70,000m2、東京国際フォーラムが約9,700m2とのことです広大という感じです。人口18万のジュネーブですが、催し物の予定はタイトに組まれており、さすが国際都市ジュネーブとの感がしました。
さて、プログラムですが、基本的にBreakfast Sessions、Honoured Guest Lecture、Basic Science Lecture、Postgraduate Courses、Scientific Programme、 Re-Do Symposiumの大sessionがあり、教育に重点がおかれ、研究発表(Scientific Programme)は臨牀、基礎含め236題であり、本邦からは、心血管 14題、呼吸器 5題が発表されました。
小生は、Forum sessionにて、「IS VATS A FEASIBLE APPROACH FOR CLINICAL N0 AND PATHOLOGICAL N2 NON-SMALL CELL LUNG CANCER?」の演題で発表しました。原発性非小細胞肺癌に対する胸腔鏡手術の適応拡大に関する演題でしたが、時間的制約から(?)フロアーからの反響は低調でした。内容、英語でのプレゼンテーション法など、さらなる向上を図る必要があることを痛感しました。
他者の発表で、興味を引かれた演題は、”REDUCTION OF AIRSPACE AFTER LUNG RESECTION THROUGH CONTROLLED PARALYSIS OF THE DIAPHRAGM“
G.L. Carboni, A. Vogt, P. Berg, R.A. Schmid, A.E. Dutly (Switzerland)。これは上葉切除後空気漏れ軽減のための、横隔神経近位に留置したカテーテルから持続的に局所麻酔剤を注入することによる一過性横隔神経麻痺法であり、横隔膜挙上により死腔が減少し、遷延性空気漏れの減少に寄与すると考えます。また、”INHALATION WITH TOBRAMYCIN TO IMPROVE HEALING OF TRACHEOBRONCHIAL RECONSTRUCTION “ E. Stoelben, R. Riedel, J. Schnell, C. Ludwig (Germany)。これは、気管気管支再建後に、トブラシン吸入により、感染による縫合不全の発症を軽減するものであり、すぐにでも臨床応用可能で、大変参考になりました。
2008年EACTSは、9月13-17日の日程で、ポルトガル、リスボンでの開催になります。当地は、2001年に第1回 EACTS(第15回)/ESTS (第9回) joint meetingが開催され、教室の川原田と小生が発表のため訪れた経験があります。是非とも、優秀な演題を携えて多くの教室員とともに再訪したいものです。
(左写真:ルソー島からレマン湖大噴水を臨む)