教室の歴史
当教室は1958年(昭和33年)4月に日本で最初に胸部外科教室として開講しました。当時は心臓、肺、食道の手術を3本柱として行う胸部外科として発展しました。1964年(昭和39年)には外科学第三講座と名称を変え、その後1968年(昭和43年)には日本で初めて心臓移植を施行しております。その後1969年(昭和44年)に外科学第二講座と呼称がかわり、1996年(平成6年)には食道外科を消化器外科(旧外科学第一講座)へ移し、心臓血管外科と呼吸器外科を中心として手術を施行してきました。2012年(平成24年)には外科学第二講座が心臓血管外科と呼吸器外科とに分けて活動を開始しております。
胸部外科開講時の初代教授には和田壽郎先生、1978年(昭和53年)には二代目教授:小松作蔵先生、1996年(平成8年)には三代目教授:安倍十三夫先生、2006年(平成18年)には四代目教授:樋上哲哉先生と移り、現在2015年(平成27年)には五代目教授として川原田修義先生が就任しております。今年で胸部外科設立から58年目となりました。この間に、当教室出身の先生では、日本国内6大学(東京女子医大;和田壽郎先生、金沢大学;岩喬先生、杏林大学;池田晃治先生、富山医科薬科大学;三崎拓郎先生、浜松医科大学;数井暉久先生、札幌医科大学;和田壽郎先生、小松作蔵先生、金子正光先生、浅井康文先生、安倍十三夫先生、渡辺 敦先生、川原田修義先生)、海外大学(南カルフォルニア大学;岩城裕一先生)の計7大学12名の先生が国内外の教授として活躍されております。症例数は1977年(昭和52年)に胸部外科手術10,000例を超え、2005年(平成17年)には過去の胸部外科手術と心臓大血管、呼吸器外科手術を合わせると20,000例を超えております。
現在当科は大学病院の心臓血管外科として診療、研究、教育を行っております。心臓弁膜症、冠動脈疾患などの後天性心疾患、大血管・末梢血管・静脈疾患、先天性心疾患の各専門領域を、公的資格を有する専門医が、大学病院ならではの高度先進医療を含め、極めて質の高い、患者さん本位の充実した専門医療を行っています。今後もいままでと同様に北海道の医療に貢献していくつもりです。