当科のご案内About us

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「札幌医科大学附属病院 心臓血管外科(旧 第二外科)」についてご案内いたします。

教授挨拶

札幌医科大学

心臓血管外科学講座

教授 川原田 修義

札幌医科大学心臓血管外科は1958年(昭和33年)に日本で最初の胸部外科教室として開講しました。以来現在まで先天性心疾患、後天性心疾患、大動脈疾患、呼吸器疾患、食道疾患等を対象として多岐にわたる胸部外科手術を行ってきました。1996年からは食道疾患を消化器外科へと移し、心臓血管外科と呼吸器外科を専門とする方針としておりました。臨床症例数は国内でも有数を誇っており、2005年には心臓大血管手術、呼吸器外科手術は総数20,000症例を超えました。2012年には心臓血管外科と呼吸器外科をそれぞれ独立した診療科となっております。

心臓血管外科領域は進歩が早く、常に革新的な治療法が開発されています。私たちは大学病院で勤務する以上、その治療法が一般化する前に導入していくと同時に自身も新しい治療法を考案していかなければならないと考えています。
本邦で正式に企業用ステントグラフトが使用できる以前から、私たちは大動脈の血管内治療をいち早く開始しました。その後、患者さんとともに苦労しながら着実に成果をだし、2015年8月には通算850例目の患者さんを治療するに至りました。

現在ハイブリッド手術室も稼働を始め、ますますカテーテル治療との複合手術が盛んになっております。最先端医療である経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が行われるようになり、ハートチームとして循環器内科との連携も強固なものになっております。
また最先端の医療のみならず、当科では心臓弁膜症、冠動脈疾患などの後天性心疾患、大血管・末梢血管・静脈疾患、先天性心疾患の各専門領域を、公的資格を有する専門医が極めて質の高い、患者さん本位の充実した専門医療を行っています。医療の高度化・複雑化・業務の増大などに伴い、スタッフ一人一人が自分の仕事に責任を持ち、医療サービスの向上に努めています。

ご自分の病状にご心配のある方、今後の治療に不安を頂かれている方、治療方法の選択を迫られている方、突然病にみまわれ途方に暮れている方、皆さんが今直面されている危機を克服するのに我々のチームがお役に立てると思います。きっと最善の治療方法が見つかると信じております。

教授 川原田 修義

若き研修医、医学生達へ

ようこそ

札幌医科大学医学部心臓血管外科

のホームページへ。

ここ50年ほどの間で、私たちの生活環境は大きく変わり、私たちの暮らしはとても便利になりました。それと同時に現在の日本は高齢化社会に向かって進んでおり、私たちはさまざまな疾患と向き合わなければならなくなっております。悪性腫瘍はますます増加しており、生活習慣病、メタボリック症候群から発症する狭心症や心筋梗塞、また大動脈瘤や大動脈解離などの疾患も今後はさらに増加していくでしょう。それらの疾患に対してはもちろん運動療法や食事療法という予防が大事になってきますが、それでダメなときには薬物治療が重要となります。それらでも克服できない疾患に対して最後の砦になっているのが外科治療であります。また救命治療には緊急手術を含めた外科的処置は必須であり、救命できたときには患者さんと共に味わえる大きな喜びがあります。

札幌医科大学では全身臓器を対象とした外科治療を行っています。心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科(乳腺内分泌外科を含む)が三位一体となって患者さん一人一人を治療します。今後患者さん達が高齢になればなるほど様々な疾病を合併していることが多くなります。心疾患を有する腹部疾患をどうマネジメントするのか、必要なら同時手術は可能か、呼吸器不全を伴う心臓手術はどう乗り越えるのかなど、一筋縄ではいかないこともますます増えてきます。

札幌医科大学ではそれぞれの専門領域の外科の交流が盛んであり、多領域に及ぶ手術も十分可能です。したがってこれから変わる専門医制度に対して若手医師の教育プログラムを個々の若手医師に適したプログラムを考慮し、学位取得や留学経験も取り込んだものに変更していくつもりです。各領域での手術経験を満遍なく十分に経験できることから、外科専門医取得までスムーズに進行し、その先のサブスペシャリティ(心臓血管外科専門医、消化器外科専門医、呼吸器外科専門医)までの取得を確実なものとします。

手術の模様

私たちの心臓血管外科においては、手術は日々進化しています。人工心肺を使わず、心臓を停めないで冠動脈バイパスを行ったり、右胸の6cmほどの小さな傷で胸腔鏡を用いて心臓手術を行ったりできるようになりました。また従来は開胸、開腹にて行っていた大動脈瘤手術が血管内治療(ステントグラフト治療)で可能となり、患者さんの負担が軽減しています。開胸や開腹で行う従来の手術に比べると術後回復はとても速いのです。さらに最先端治療として径カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を行っております。これは循環器内科と心臓血管外科がタッグを組み、経験豊富な麻酔科医や放射線技師、臨床工学士、看護師らによるハートチームを結成し、特殊なハイブリッド手術室を使用してチーム一丸となって施行しております。

札幌医科大学心臓血管外科のスタッフ全員が質の高い医療の提供と、患者さんとともに生き抜くことを共有の認識として、人間味のあるチーム医療を実践しています。ヘリポートを備えた三次救命救急センターとして24時間救急体制をとっており、紹介病院からの対応はすべて専門医が行っています。これら専門医チームが患者さん一人一人の個々の病状を克明に把握しつつ、高い医療水準を常に確保・維持し、日進月歩の技術を取り入れながら外科治療にあたっています。

外科医を目指す若き医師達、是非、札幌医科大学で外科医の一歩を始めてください。外科専門医となるべく、始めは臓器を決めず、すべてのことを勉強して下さい。そして心臓血管外科医、呼吸器外科医そして消化器外科医という専門医を目指して下さい。外科治療を変革しながら君達と歩み続けたいと思います。

教室の歴史

当教室は1958年(昭和33年)4月に日本で最初に胸部外科教室として開講しました。当時は心臓、肺、食道の手術を3本柱として行う胸部外科として発展しました。1964年(昭和39年)には外科学第三講座と名称を変え、その後1968年(昭和43年)には日本で初めて心臓移植を施行しております。その後1969年(昭和44年)に外科学第二講座と呼称がかわり、1996年(平成6年)には食道外科を消化器外科(旧外科学第一講座)へ移し、心臓血管外科と呼吸器外科を中心として手術を施行してきました。2012年(平成24年)には外科学第二講座が心臓血管外科と呼吸器外科とに分けて活動を開始しております。

胸部外科開講時の初代教授には和田壽郎先生、1978年(昭和53年)には二代目教授:小松作蔵先生、1996年(平成8年)には三代目教授:安倍十三夫先生、2006年(平成18年)には四代目教授:樋上哲哉先生と移り、現在2015年(平成27年)には五代目教授として川原田修義先生が就任しております。今年で胸部外科設立から58年目となりました。この間に、当教室出身の先生では、日本国内6大学(東京女子医大;和田壽郎先生、金沢大学;岩喬先生、杏林大学;池田晃治先生、富山医科薬科大学;三崎拓郎先生、浜松医科大学;数井暉久先生、札幌医科大学;和田壽郎先生、小松作蔵先生、金子正光先生、浅井康文先生、安倍十三夫先生、渡辺 敦先生、川原田修義先生)、海外大学(南カルフォルニア大学;岩城裕一先生)の計7大学12名の先生が国内外の教授として活躍されております。症例数は1977年(昭和52年)に胸部外科手術10,000例を超え、2005年(平成17年)には過去の胸部外科手術と心臓大血管、呼吸器外科手術を合わせると20,000例を超えております。

現在当科は大学病院の心臓血管外科として診療、研究、教育を行っております。心臓弁膜症、冠動脈疾患などの後天性心疾患、大血管・末梢血管・静脈疾患、先天性心疾患の各専門領域を、公的資格を有する専門医が、大学病院ならではの高度先進医療を含め、極めて質の高い、患者さん本位の充実した専門医療を行っています。今後もいままでと同様に北海道の医療に貢献していくつもりです。

スタッフ紹介

研究内容

札幌医科大学心臓血管外科教室では、大学という研究機関であることを踏まえ臨床に即した研究を実行しております。
手術同様に患者様へ還元できるよう研鑽しております。

  1. 動脈瘤関連対麻痺に対する再生医療
  2. 大動脈解離の画像解析
  3. ステントグラフト関連合併症発生機序の解析
  4. 胸部・腹部動脈瘤の画像解析
  5. 冷却度解析を中心とした低体温循環停止術後の痙攣発症リスクに関する後ろ向き観察研究
  6. 大動脈瘤を有する患者における瘤壁・大動脈壁・血管周囲脂肪組織の性質に関する研究

現在進行中の研究に関する情報公開文書

学会活動